ケン・フォレット:ペテルブルグから来た男

 この作品は昭和58年集英社から刊行された。
 古いなぁ。
 昭和58年つったら俺まだ6歳だよ。
 私が読んだのは文庫版ですが完全に紙がヤケていました。
 最初、タイトルからして東西冷戦のスパイ冒険ものかと思っていたら全然違いました。ペテルブルグという固有名詞に期待しすぎました。
 第一次世界大戦直前のテロをテーマにした冒険ものでした。
 昔の小説なので、時代背景はいいのですが、人物設定が陳腐すぎる…。
 昔の恋人と再会する伯爵夫人とか実の父親を知らない娘とか…。唯一アイルランドのおばさんと主人公の奇妙な友情がイキイキとしていました。
 最後までコケにされるスティーヴン哀れすぎだ。そして館モノじゃないけど、館炎上でEND。そのときチャーチルが腹黒さを見せます。結局ロシアの重要人物を暗殺しても第一次世界大戦は起こるのでした。
 編集的な問題だけどこの薄さで上下にする必要性は無かったと思う。あと幕間で☆とか使われると雰囲気出ない。
 結論としては、わざわざ読まなくてもなあ…。