ジェフリー・アーチャー:誇りと復讐(上)(新潮文庫)

要するに現代版モンテクリスト伯
 作中での法廷劇は見ものでした。主人公が入る刑務所の様子はさすがに作者自身が入っていたことがあるだけあってリアリティがある。主人公が最初のころは英語読めなくてちょっと驚いた。現代イギリスでもこんな人いるのか…。下層階級だとこんなもん?
 いつものように読みやすくてあっという間に読んでしまった。
 さて主人公は刑務所で出会ったそっくりの男…名前はモンクリーフ…になりすまして脱獄を果たすわけだが、
その男が罪に問われた理由はボスニア・ヘルツェゴビナ紛争でコソヴォで民衆に発砲した部下の責任を取ったか
らだった。つまり、彼は元将校だった。こんな小説にまであの紛争の影響が来ているのかと驚くとともに、あの紛争は欧州でそれくらい重大な事件だったのだなと思った。このことから私はあの紛争を理解しなければならない、と思うようになった…。
 にしても、モンクリーフの祖父の切手コレクションの内容気になるなぁ。
 下巻は図書館で借りて読んだので手元になかったりする。復讐相手を騙すところとか、あの法廷劇は面白いんだけど…。ロンドン五輪ネタあり。