誰かの始まりは、他の誰かの始まり 読んでみた。

 コミティアで購入。
 どうやら今までの短編を集めた総集編のよう。
 最初ジョアンとシャハを軸にして物語が展開するのかな〜って思ってしまったけどそうでもないようでちょっと残念。
 ジョアンが迎えられる出だしはアンダーザローズを連想しました。個人的に一番面白かったのは大富豪からゼロからのスタートを切れる使用人の話でした。この使用人は以前いた屋敷では上に人がいて上がれなかったのですが、この話を読んで私が真っ先に連想したのはサラリーマン社会ではなく、ヴァンパイア・ザ・マスカレードというTRPGのことでした。上がいつまでもいて上に登れない。そんな状況は、そのゲームの組織の中のヴァンパイアにも当てはまっていました。長老ヴァンパイアが利権を握っていて、若いヴァンパイアはうだつが上がらない。ご存知の通りヴァンパイアは不死なのでヘタをすると永遠にそんな状況が続きます。このゲーム、ヴァンパイアは都市に生きるものなのだし、そんなに移動は容易ではありません。野外は危険がいっぱいです。ヴィクトリア朝の使用人のように転職が出来るわけでもありません。その結果、必然的に組織内の吸血鬼同士の陰謀の火種が撒き散らされることになります。(ま、最悪同族食らいってことも)
 って、完全に本の感想から脱線していますね。ま、こんな風に感じたやつもいるってことで…。
 余談。後書き読んで外資系に就職されたとのことで意外。てっきり作家としてやっていかれるつもりなのかと…。