ケン・フォレット:ペーパー・マネーについてSLG風に考えてみた

 ペーパー・マネー。つまり紙幣のこと。
 これはクライム・ストーリーであり群像劇でもある。
 一種のコン・ゲームでもある。
 この話の軸を挙げると、
強盗が銀行輸送車を襲う
投資家のふりをした詐欺師がインサイダー取引を企む
スクープをものにしようとする記者
 
の、3つだ。
これをSLGとして考えてみよう。
まずゲームが始まる前の状況設定としては
フェリックス・ラスキ:油田の採掘権を取る予定の会社を買収して一儲け企んでいる。そのための情報を取ることをトニー・コックスに依頼した。その代わり彼は銀行が紙幣を輸送する日をピータース…イングランド銀行の職員…から聞き出してトニーに伝える。
トニー・コックス:強盗する予定の悪党。ラスキと親しく、情報を得るために娼婦を利用してエネルギー相から情報を得て、ラスキに情報を伝える。見返りとして銀行の予定を得る。
ハート・ケビン:スクープをものにしたい新聞記者。真実を追い求めている。
ハミルトン卿:犠牲者。
 
各人の設定はこんなものだろうか。
 この小説、章を午前○時とか時間にしているが、それをターンとして考えてみよう。

第一ターン
ラスキ:ピータースと出会い、銀行輸送車の情報を得る。
第二ターン
コックス:美人局にひっかけたエネルギー相から油田採掘権を得る会社の名前を聞き出す。
第三ターン
コックス:情報を得て、強盗の指示を出す。
第四ターン
ラスキ:買収予定の会社のオーナーの妻を寝取ろうと考える。(正直どーでもいい)
犠牲者の会社の主は、自分の会社を売り出そうとする。
第五ターン
ラスキ:ハミルトン卿の会社の買収に乗り出す。つまり、株を買うということだ。今で言うならインサイダー取引である。油田採掘権を得たことが伝わって株価が上がったら売るつもりなのだ。
第六ターン
ラスキ:買収は成立するが、資金の支払いに時間制限が付けられた。自分の持っている銀行からでは百万ポンドは工面できない。次のターンまでに百万ポンドを工面しなくてはならない。
第七ターン
紙幣輸送にトラブルが起こる。

ここまで書いて力尽きた。