女教皇ヨハンナ(上)

伝説にあった女教皇の話。実在するかどうかはともかくとして…。
自分としては与太話のたぐいだと思っているのだけど、本の紹介では「カトリック教会が公式記録から抹消した」とか書かれてて、本当に存在したかのごとく書いている。
 上巻を全部読んでみたけど、非常に面白く、読みやすい小説だった。この時代の風俗とか雰囲気を良く描写していると思う。異教の書物と聖職者たちの微妙な関係も興味深い。また、娘が横暴な父親から自立する話に見えなくもない。母親は異教徒でオーディンとかいまだに信じていて、まだ完全に欧州にキリスト教が浸透してなかった頃なんだなと思わせる。
 幕間に教皇庁の権力争いを描いたシーンが挿入されていて、アナスタシウスという人物が出てくるが、これは伏線かなあ。
 パスカリスとかぐぐってみたけどあきらかに時代が違うし、やはりあの粛清シーンなどはフィクションなのであろう…。