アントニー・ビーヴァー:スターリングラード

 まずバルバロッサ作戦が始まるところから書き起こしている。文が語り口調で読みやすかった。そして42年ドイツ軍はスターリングラードへ。攻勢は頓挫。そして赤軍は密かに限りある資源を駆使して反攻を計画する。ウラノス作戦である。味方が苦しいときは敵も苦しい。ソ連も苦しかったのだ。ウラノス作戦が成功してドイツ第六軍は包囲されて空輸もうまく行かず結局降伏する。マンシュタインの救出作戦も失敗。ここで作者はマンシュタインについて冷徹に評価している。NKVDが味方を容赦なく射殺してるという記述を見て映画のシーンは本当だったんだなと思った。降伏した後の将軍たちの様子を描くところは貴重な史料だと思う。
 あ、エーリヒ・ハルトマンもソ連機破壊の罪で訴えられたとか…。